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学習「村上春樹はくせになる」5

2008-03-31 Mon

毎週月曜日はテーマ学習。今月のテーマは村上春樹の長編。ガイド本として、
清水良典著:「村上春樹はくせになる」(朝日新書)
を使っています。

ついに最終日を迎えました。月末の5回目で一応終わりということでお疲れ様でした。

間違いなく確実にノーベル文学賞を近い将来受賞するであろう村上春樹を、それも長編すべてを1ヶ月で読み切る企画は、たぶんどこのよそ様でもやっていません。ふつうやるかって、著者に失礼だよ。でも、ま、いいものは早く吸収しないとね。

普遍的な評価は歴史にまかせましょう。文学ですので、自分の感性で、好き嫌いで、勝手に感じるままに読めばいいんです。堅苦しいことはなし。

いい文学は、いい文章を、いい表現を、いい思考を、そして、いい感性を与えてくれます。本当に楽しい1ヵ月でした。

ここまでの道のり:

? 読み 出版年 著作
1.済  1979  風の歌を聴け 
2.済  1980  1973年のピンボール
3.済  1982  羊をめぐる冒険
4.済  1985  世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
5.済  1987  ノルウェーの森
6.済  1988  ダンス・ダンス・ダンス
7.済  1992  国境の南、太陽の西 
8.済  1994  ねじまき鳥クロニクル1、2
9.済  1995  ねじまき鳥クロニクル3
10.済  1999  スプートニクの恋人
11.済  2002  海辺のカフカ
12.済  2004  アフターダーク

では、最終となる「海辺のカフカ」「アフターダーク」。途中下車的感想文。終点駅到着的感想文は別途臨時増刊号に書きます。では始めます。



「海辺のカフカ」。この素晴らしい作品に出会い、読み、味わうために、前10作を読んできた気がします。静かで叙情的で哀しくも美しい。スリリングなストーリー展開と魅力的な登場人物。落ち着いた文体。簡潔な文章。何と行っても、終結がある。それも希望のある終わり。

この作品の素晴らしさを表現できる能力がないことを本当に残念に思います。

作品の水脈は間違いなく「世界…」と「ねじまき…」。その完結編。そこに「ノルウェー」の琴線もからむ。村上春樹文学の世界観・価値観が全面的に展開されます。表現する文章・文体も変えてきました。簡潔にして明瞭、自然な比喩。思わせぶりな感傷もない。

でも、と、ここで反論はしたくないんだが、あらためて個々を分析すれば、脈絡がないといえばそうかも。というか、複雑で、かつ、巧妙に散りばめられている「メタファー」を読み分け読み解いていかないといけないもどかしさむずかしさは確かにある。

「世界…」や「ねじまき…」そして「ノルウェー」を読んでいなければ感じ得ないかもしれないものもある。たぶん、読み手を選ぶ作品かもしれない。

それは読み手の感性の違いだし、感性は時とともに変化するし、相性だってある。だからひとそれぞれと言ってしまえばそれはそれでいいんだけど、この作品が村上春樹以外の誰も書き得ないものであることは確かだ。

村上春樹作品で初めて母と子の情感を彼らしい展開のなかで描いた。ここが今までになかったところで泣かせどころでもある。少なくとも私には感動的な心の宝物的物語になりました。本当にそう思えます。

そして最後に。「アフターダーク」。

実験の序章。大作の前編としての短編。このあととんでもない大作が書かれるのであろうと予測いや期待させてくれるプロローグ、というふうに読めます。

この作品自体は、ここまで連続して同一作者の著書を読んでくると「免疫」みたいなものが出来てきて慣れてきて、ははーん、またか、あれ、これでおわり?めずらしくあっさりしてんじゃん、的な感じの揺さぶりに思えます。

文体は「カフカ」のライン。「カフカ」よりは漢字を使っている−あ、これ、すごい幼稚な分析ですね、すいません−のです。

「カフカ」で体力を使い果たした読者としては、ちょっとホッします、この作品。正直それは感じた。

作品の途中下車的な感想はこんなところかな。

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