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学習「走ることについて語るときに僕の語ること」4

2008-02-25 Mon

2月の学習の4回目です。村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」について語ります。

このエッセイ集、文章が素直でサラっと淡々として、簡潔にして明瞭、とても読みやすい。文学作品じゃないから、普段からよく考えている日常生活を語っているから、自身の過去を振り返る「メモワール」だから、なのでしょう。

前回も書きましたが、後半の一部分のちょっと照れくさい表現以外は、とてもいい文章・文体です。とても参考になります。筆写ならぬキーボード写したくなります。それくらい散文のお手本的文章だと思います。

村上春樹作品はずいぶん昔に「ノルウェイ」と「ねじまき」を読んでいて、その感触がかすかに残ってはいました。今回、初期作品から発表順に読んでいます。やっと「ダンス」の上まで読み終わりました。

初期3作品はこの「走ること…」にも執筆の経緯が書かれています。初期2作はとても斬新で「感覚的な」走り書き的若い作品だと思います。一瞬の才能でサッと書き上げた印象です。その才能は身近に、というか、なかなかいいじゃん、ふうな近しいものを感じます。がしかし…

「羊」の後半から、そして何といっても「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」はその才能の圧倒的卓越さを感じざるを得ないですね。参った。文章文体がこなれていない分、たぶん作者の意図もあるのでしょう、かえって凄みを感じます。某SNSコミュニティのアンケートでこの作品が1位に選ばれているのもうなずけます。

この作品についてはやはり圧倒される方々が多いですね。グーグルで検索するとその圧倒されぶりをよく表現しているHPが多々あります。内容についてご興味のある方は
そちらを是非どうぞ。

まだこの作品をお読みでない方々へ老婆心ながら。他の作品で講談社文庫のものは字体が大きく読みやすいのですが、新潮文庫の「世界の終わり」は字体が小さく文体が独特なのでとっつきにくい印象を持たれる方も多いとは思いますが、最初はがまんして読み続けて下さい。そのうち、時を忘れること間違いなしですので。

新潮文庫

「羊」のあとにこの「世界の終わり」を書いてから「羊」の続編である「ダンス」を書くんですね。「世界の終わり」はどういう試みを意図したのだろう、抜きん出て異色、これも「水脈」の1つなんですね。とんでもない「水脈」です。

引き続き「ダンス」を読んで、そのあとまた長編を読破していきます。カフカまでたどり着くにはまだまだ遠いのですが、読みます。

こういう作家と同時代に生きてこれて、また母国語で読むことができて、たいへん幸運だと思います。

次回に続きます。

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